マイルをためるということ
前節「飛行機のビジネスクラスについて」と「飛行機の座席のアップグレードについて」で述べたように、私はすっかり「ビジネスクラス」の罠にはまってしまい、
せっせと「マイルをためる毎日」を送るようになってしまいました。
いわゆる「マイラー」と言われる人間ですね。あるいは「マイル・ジャンキー」とも言うそうです。
まさしくジョージ・クルーニーの映画「マイレージ、マイライフ」の世界です。
すでに述べたように、マイルによってビジネスクラスの特典航空券をゲットしたり、アップグレードしたりするのは、なかなか大変で、そんなに簡単なことではないですが、
でもそれがうまく行った時の喜びはひとしおです。
「ああ、マイルをためてきてよかった!」と心の底から思ったりします。
そこで、効率的にマイルをためる私なりのやり方を、以下でご紹介します。
といっても、いわゆる世間で「修行」と言われるやり方、つまりマイルをためるだけの目的で飛行機にガンガン乗ったりすることはしません(そんな体力はない)。
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私のやり方は、きわめてオーソドックスなものです。すなわち、次の2つです。
●フランスに往復することで「搭乗(フライト)マイル」をゲットする(ただし「修行」はしない)。
●航空会社系のクレジットカードを使って「ショッピングマイル」をゲットする。
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通常、JALのパリ往復で、エコノミークラスからビジネスクラスに「アップグレード」するのに必要なマイルは、55000マイルです。この数字が当面の目標となります。
普通パリに往復すると、搭乗するだけでおよそ9000マイル近くが手に入ります。
年に2回とか渡仏すると、それだけで18000マイル近くになります。
さて、ここからクレジットカードの登場となります。
私の場合は日本航空なので「JALカード」です。
ちなみに、私は決してJALやJALカードの回し者ではありません(誤解がないように)。
最初にマイルをため始めたのが、たまたまJALだったからというだけです。ANAに乗る人は、ANAのカードになります。
あえて日本航空のメリットを挙げるとすれば、パリのドゴール空港が「ターミナル2」であるということでしょうか。ANAは古くて狭い方の「ターミナル1」です。
やはり「ターミナル2」の方が大きくて新しくていいと思います。しかし、ことサーヴィスに関しては、ANAの方が一枚上手だという意見はよく聞きます。
日本航空のクレジットカード「JALカード」の場合、一般カードの年会費は2160円です。家族会員はプラス1080円です。
私は「JAL CLUB-Aゴールドカード」にしました。年会費は17280円で、家族会員はプラス8640円です。
家内も夏は一緒にヨーロッパに行くことが多いので、家族会員です。たまったマイルも共有できます。
自宅近くの東急のデパ地下をしょっちゅう使うので、TOP&ClubQと抱き合わせにしました。これで東急のポイントもダブルでたまります。
ところで問題は、この《一般カード》と《ゴールドカード》の年会費の差額をどう考えるかです。家族会員1名として、一般カードは年会費3240円。ゴールドカードだと25920円。
もしもためたマイルで特典航空券や座席のアップグレードをゲットするというのでないのなら、この差額は高いし、あまり意味がないと思います。
あえてゴールドカードを持つ必要はないと思います。
しかし、海外によく行くというなら、ゴールドカードは必須です。主なものでは、以下のようなメリットがあります。
●入会搭乗ボーナス 5000マイル
●毎年初回搭乗ボーナス 2000マイル
●搭乗ごとにフライトマイル25パーセント付加
●海外旅行傷害保険が自動付帯(別途入らなくてよい)
●JALビジネスクラスカウンターでチェックイン(混んでいるエコノミークラスのカウンターに並ばなくていい)
●ショッピングマイル・プレミアムに自動入会
飛行機に乗るたびに、気前よくボーナスマイルがつきます。
また海外旅行傷害保険は、1週間くらい行くだけでも1~2万円します。これがすでに自動的に付いているのです。実はこれだけで元が取れています。
しかし特に、この最後の「ショッピングマイル・プレミアムに自動入会」というのが、非常に大きいのです。
「JALゴールドカード」で支払いをしたら、「100円=1マイル」たまるのです。一般カードではその半分の「200円=1マイル」です。
「100円=1マイル」にするためには、年会費に3240円プラスして「ショッピングマイル・プレミアム」入会しなければなりません。
ところが、ゴールドカードなら、最初からこれに入会しているので、自動的にその2倍の「100円=1マイル」たまるのです。
ゴールドカードで1000円支払ったら10マイル、1万円支払ったら100マイル、10万円支払ったら1000マイルです。
さらに「JALカード」の「特約店」というのがあります。
そこで「JALカード」で支払うと、マイルがさらに2倍になるのです。
私がよく使う特約店は、例えばファミリーマート、ロイヤルホスト、紀伊國屋書店、HAC、エネオス(ガソリンスタンド)、JALホームページでの航空券購入などです。
仮に本を1万円分買ったとしましょう。普通の書店で一般カードで支払ったら50マイルだけです。しかし「JALゴールドカード」だと「100円=1マイル」なので100マイル、
さらにその本を「特約店」である紀伊國屋書店のWEBサイトで買うと、その2倍の200マイルです。なんと4倍もマイルがたまるのです!
フランス行きのJALの航空券を、JALのホームページで購入するとします。エコノミークラスでも夏の高い時期だと燃油税入れて25万くらいします。
これをJALのホームページで購入し、「JALゴールドカード」で支払ったら、「100円=1マイル」なので2500マイル、さらに「特約店」なので、なんとその2倍の5000マイルが手に入ることになります。
しかも搭乗したら通常のフライトマイル(約5000マイル)、そしてさらにそこにボーナスマイル(1250マイル、プラスその年の初回だと2000マイル)が加わることになります。
トータルで13250マイルにもなります。
かくしてショッピングでカードを使うとマイルが爆発的にたまることになります。海外に行くことの多い人は「JALゴールドカード」は必須です。
一般カードとの差額は、もはや全然あってないようなものです。
最初は、クレジットカードをどんどん使うことに抵抗がありました。クレジットカードは、やはりどこかで「一時的に借金してる」という意識があったからです。
でも、よく考えたらクレジットカードで支払ったからといって、出て行く金額が増えるわけではありません。
同じ金額を払うなら、クレジットカードを経由するだけで、爆発的にマイルがたまり、
そしてそのマイルを使って飛行機(しかもビジネスクラス)に乗ることができるなら、そのほうがいいじゃないかと「マイラー」の私は単純に考えるようになりました。
例えばフランス人は、普段はなるべく現金を持ち歩かず、日常的なほとんどの支払いをもっぱらカードで払っています。
私も最近では、コンビニで1000円くらいからならカード払いです(前に、近くのファミマで150円のパン1個買うのにクレジットカードで払っている若者を見て勇気づけられたこともあります・笑)。
紀伊國屋WEBで本を買い、ロイホで食事して、ファミマでビール買って、HACでシャンプーとかネコ砂とかを買い、クルマ通勤用のガソリンは必ずエネオスで入れます。
「あーあ、ものの見事にクレジットカード会社の術策にはめられて操られてるよな~」と思いながら、
せっせと特約店を中心に、毎日いろんなところでカード生活です(さらにデニーズとセブンイレブン、そして高速道路のETCが「特約店」だと、もっとウレシイのですが……)。
2~3ヶ月に一度、朝から東京新橋の慈恵医大で定期診察の際は、町田から早起きして通勤ラッシュにもまれて病院まで行くのがキツイので、
病院の近くの「愛宕山東急REIホテル」(旧東急イン)に前泊します。
ここはビジネスホテルですが、JALのマイルがたまるプランというのがあって、これで宿泊すると、1泊あたりなんと500マイルもらえます。
宿泊代の1万円を「JALゴールドカード」で支払うと、ショッピングマイルを加えてトータルで600マイルです。
(ちなみに600マイルを一般カードで普通にためるためには、12万円使わなければなりません。それがなんと1万円でたまるのです!)
ここ以外でも、どこかホテルに泊まる時は、わざわざマイルのたまるホテルを探してマイル積算プランを利用するようになりました。
こうして「マイラー」として、あるいは「マイル・ジャンキー」として日々カード生活をしながら、確かに爆発的にマイルがたまっていくのを実感しています。
先に触れた映画「マイレージ、マイライフ」にこんなシーンがあります。あるレストランでのジョージ・クルーニーとアナ・ケンドリックの会話です。
ジョージ・クルーニー「[出張経費でレストランで食事をする時には]出来るだけマイルをためるために注文してる。」
アナ・ケンドリック 「その、マイル、マイルって、いったい何なんです? ……ためてるのは、あの《マイレージ》?」
ジョージ・クルーニー「そんなに知りたい?」
アナ・ケンドリック 「はい、すっごく。」
ジョージ・クルーニー「僕が金を使う時は、できる限り《マイレージ》が増えるようにしてる。」
アナ・ケンドリック 「南フランスに行きたいから? ハワイとか?」
ジョージ・クルーニー「全然違う。マイル自体が目的だ。」
思わず笑っちゃいました。私の場合は、まさしく「南フランスに行きたいから」なんですから(笑)。
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さて、もちろんクレジットカードのワナというものがあって、
調子に乗ってガンガン使っていたら、いつの間にかものすごい金額の請求があとから来る、といった「悲劇」が起こる可能性があります。
《カード破産》とか《借金地獄》とかといった、暗いイメージも付きまといます。
なので私は、なるべくそうならないように、自宅にカード支払い専用封筒というのを自分で作っています。
カードを使ったら、その日のうちに必ず、その封筒の中に使った分の現金を入れて、請求に備えるようにしています。
それをしないと、確かにカード会社から送られてきた請求書を見て腰を抜かす、ということになりかねません。
ローン会社の決まり文句ではありませんが、「ご利用は計画的に」です。
※繰り返しますが、この記事は決して「JALカード」の宣伝ではありません。たまたま私が「JALカード」の会員だというだけで、例えばANAカードだって負けず劣らず、すばらしいサービスが提供されていることでしょう。
またクレジットカード生活を、あたかも何かすばらしいバラ色の生活のようなものとして賞賛しているわけでもありません。「マイラー」でなければ、カードは必ずしも必要ではありません。